先日,幼児教育学ゼミ3年生が,研究活動の一環として,香川県直島町で開催された「きらめき音楽会」に参加しました。この音楽会は地域の方々の熱意によって24年間続いている伝統あるイベントで,町の教育委員会が後援しています。
直島町といえば,2000年に世界的な旅行雑誌「Condé Nast Traveler」で「世界で訪れるべき7つの場所」として取り上げられて以降,現代アートの世界的拠点として注目され続けています。アートの島として名高い直島町ですが,教育や地域づくりにおいても先進的な取り組みを行っています。その一つが,地域住民の心の絆を深め,子どもたちの感性を育む「きらめき音楽会」です。発起人の直島町出身・在住の堀口容子さんは,長年の地域活動を通じて,子どもたちの豊かな心を育む場所を作りたいという強い思いを持ち,この音楽会を立ち上げたそうです。
11月下旬,音楽会開催前に学生たちと指導教員で直島へのフィールドワークに向かい,堀口さんから,この会を立ち上げるまでの経緯や,直島町の特色ある教育の仕組みを教えていただきました。漠然と演奏研究をしようと思っていた学生たちですが,堀口さんのとの交流を通して,この会が地域一体となって成立している交流の場であることや,創造性の萌芽を育てる活動であることを学びました。
フィールドワーク後,学生らは「誰に対して」「どのようなメッセージをもって」「どんなふうに届けていくべきか」ということを問いながら,学内練習に熱心に取り組みました。楽器の編成を変えたり,アーティキュレーションを工夫したり,オリジナルのメロディやリズムを加えてブラッシュアップしたり・・・こうして唯一無二の演奏が仕上がりました。
音楽会当日は,学生たちは保育学生としてのアイデンティティを意識しながら,心を込めて演奏しました。お客様からの温かい反応は,学生たちの自信を深め,音楽の持つ力を改めて実感する機会になったようです。直島「きらめき音楽会」での経験は,学生たちにとって,演奏を楽しむということだけにとどまらず,地域との関わり,そして将来の保育者としての役割を深く考える貴重な機会となりました。
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2024.12.23 | 子ども学科