川野光興准教授が国立感染症研究所薬剤耐性研究センターと連携して行った研究の成果「Distribution of Antimicrobial Resistance and Virulence Genes within the Prophage-Associated Regions in Nosocomial Pathogens(邦題:院内病原体のプロファージ関連領域における抗菌性遺伝子および病原性遺伝子の分布について)」が、米国微生物学会の科学雑誌 (mSphere [IF: 4.282]) から7月7日付でオンライン出版されました。
院内感染で問題となる7つの細菌属の遺伝子配列を生命情報学的手法を用いて解析して、抗菌薬に耐性の性質を与える遺伝子や病原性に関与する遺伝子の分布や種類を特定しました。これらの遺伝子群の割合は細菌属によって大きく異なり、プロファージ部位は遺伝的多様性を生じやすい領域であることが明らかとなりました。この研究成果により、細菌ゲノムの遺伝的多様性に貢献する原動力や仕組みを提案することができました。今後は、薬剤耐性遺伝子の種を超えた伝播の機構や感染症対策に関する研究に発展していくことが期待されます。