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2024.07.29 | 子ども学研究科

研究ノート(太田憲孝准教授):小学校国語教科書に長く掲載されている文学作品の研究

小学校国語教科書には、長く掲載されている文学作品があります。中でも小学校1年生『おおきなかぶ』と小学校4年生『ごんぎつね』は、双方とも1956年から教科書に登場し、現在も掲載され続けています。最初は一社のみの教科書掲載でしたが、1960年代に入ると次々と掲載する教科書会社が増えていきました。
なぜこの文学作品は人気があるのでしょうか。現場の先生からの支持が高く、子どもたちが国語の力をつけていくにはたいへん価値のある教材だと考えられているからです。年齢を問わず多くの人が学習し、記憶にとどまっているこの二つの文学作品の魅力、そして子どもたちにどう授業を行っていくと成果があがるのかについて、さまざまな視点から研究しています。
2023年9月に岐阜県大垣市で行われた『アクティブ文学講座➁~国語教科書の文学作品を読み味わう~「おおきなかぶ」・「ごんぎつね」』では、二つの作品を子どもの視点と大人の視点に分け、どのような読みが可能なのかを議論しました。コメンテイターとして参加していて、会場の参加者から出る読みは、大人の読みの視点に偏っていると感じました。小学生の子どもが興味・関心をもつ視点は大人の視点とは全く違います。その点を強く意識し、国語の授業に活かしていく必要があります。大人の読みと子どもの読みの相違や、大人と子どもが興味・関心を寄せる視点の隔たりを考慮し、子どもが力をつけることができる国語科授業の在り方を追究していきたいと考えています。

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