今回は、子ども学部の齊藤佳子教授の担当する「子どもと環境演習」についてご紹介します。この授業では、保育内容・領域「環境」を理解し、子どもの発達にふさわしく、子どもの好奇心や探究心に応える魅力的な保育環境とは何かを探究しています。環境を通して行う保育にとって、どのような環境を構成するかは大切です。受講生は、自己の保育観を基に、領域「環境」における子どもの活動や育ちに応じた指導方法、どのような環境が求められているかを検討します。文献をひも解き、環境を構成し、実際の保育の場での実践を通して考察、レポートにまとめていきます。
掲載した写真は、2020年度から2023年度の受講生が取り組んだ研究です。希望する学生は、「中国学園大学 子ども学部 教職課程研究論文集」に投稿し、掲載される機会もあります。例えば、幼児と物との関わりの研究では、幼児が物の使い方を試行錯誤したり、物を介して友だちとのコミュニケーションや共同遊びに発展し、物が人間関係構築の一助になったりしていることを参与観察から考察しました。また、放課後児童クラブにおけるペットボトルロケットの保育実践では、必ずしも決められた活動をするという縛りがない中で、学年や年齢による経験、学びや育ちの違いを配慮した放課後児童支援員の題材の扱いや意図した環境構成の工夫について検討しました。さらに、幼児の図形の感覚を豊かにする教材と指導法の研究では、アイテムを貼ったり剥がしたりできるエプロンシアターの特徴を生かした演じ方を工夫することで、幼児が視覚的に楽しみながら1つの丸・三角・四角の図形から複数の図形を組み合わせて模様づくりをすることができ、幼児の図形への興味・関心を引き出す活動を提案しました。加えて、三つ編み遊びに焦点を当てた研究では、三つ編み遊びを可能とする能力として、三つ編みの法則性・パターンの理解、見通しを持って「きれいに編みたい」と取り組む気持ち、持続力、手指の巧緻性、協働性などの社会性の5つの力を抽出し、それらを育む背景について保育環境との関わりから考察しました。
子どもの魅力的な遊びと生活を豊かにする保育環境を創りだすために、中国学園大学大学院子ども学研究科で学びませんか。