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2024.10.01 | 子ども学科

研究活動の紹介(岸 誠一教授)

子ども学部の岸教授は、「温暖化による少雪傾向が吉井川上流域における5月の最小流量に及ぼしてきた影響の評価」という研究論文を「畑地農業2024.785号」に発表しました。(図1)
岸教授は、温暖化が岡山県の吉井川の水にどんな影響を与えているかについて、1944年から2023年までの間、吉井川の上流で降った雨や雪の量、気温、そして川の流れる量などの膨大なデータを統計学の重回帰分析を使って分析しました。特に温暖化により雪が少なくなったことが、春の水の量にどう影響しているのかを、タンクモデルと呼ばれる計算方法を使って、詳しくシミュレーションしました。
この分析の結果、以下のことが分かりました。

  • 雪が少なくなると、春の水が減る
      特に、4月の雪の量が少なくなると、5月の川の量が大きく減ることが分かりました。この時期は、田んぼに水を張る大切な時期で、川の水が減ってしまうと、農作物に十分な水をあげることができなくなり、農業に大きな影響が出ることが危惧されます。
  • 将来、水が不足する
    今後、温暖化が進んで雪がさらに少なくなると、統計的手法で予測した結果、2053年以降は、春に川の水が足りなくなる可能性が高いことが分かりました。(図2)
    このような岡山県の河川における温暖化の影響を研究した事例はほとんどありません。
    この研究は、後期の「現代環境論」の授業でも地球温暖化の身近な例として紹介する予定です。

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