『山田方谷の思想と改革』
本著は2020年5月7日中国学園大学でコロナ禍の影響により無観客で開催されたシンポジウムのまとめである。備中松山藩の幕末の改革を成し遂げた山田方谷を研究し、その知見を今日の地域創成に生かすことを目的としたものである。
「思想編」は本学の非常勤講師(岡山大学名誉教授)高橋文博氏によるものであり、朱子学と対比し陽明学の特徴を簡潔にまとめたものである。特に方谷のもっていた暖かい人への思いやりが改革の成功に結び付いているという指摘は今日のリーダーにとって重要な示唆となる。
「改革編」は本学副学長の杉山慎策氏によるものであり、方谷の経営改革の基本は「イノベーション」にあること、しかも、その「イノベーション」は地元の資源である「砂鉄」に着目し、これを加工して付加価値を高め直接江戸で販売することで大きな収益を上げたことを指摘している。また、備中松山という地域名を上手にブランドに被せて展開することでカテゴリー横断的に付加価値の高いマーケティングを展開した。今日の地域創成にも十分通じるところがあることが指摘されている。
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2020.10.19 | 国際教養学科